社会人として会社に行きながら、全く別の分野で学生として研究をする。
会社から派遣されるなど恵まれた場合を除いて、多くの社会人学生の悩みとなってくるのは、
「時間がない...」
これに尽きるのではないでしょうか。
特にウェット系での研究の場合、少しでも多く通学して実験を仕込みたいところ。
そうすると、大学では論文なぞ読んでいる場合ではない。。。
でも知識構築のためには論文を読まねば!
そうなってくると、論文が読めるのは通勤時間や帰宅後の時間。
家庭を持っている人の場合、家族との時間も大切にしたいので、さらに時間がなくなってしまいまいます。
私は今その真っ只中(←論文読め)
そこで、なんとかして論文を効率よく読めないかなと思い、たどり着いたのがこの記事。
落合陽一先生のフォーマットだと?!
これを使えば、効率よく読めるのか??
そう思って早速実践してみました。
落合先生のフォーマットとは?
上図は「先端技術とメディア表現1 #FTMA15」で落合先生が示したものです。
最終的には読んだ論文を上記フォーマットにまとめていきます。
構成は
- どんなもの?
- 先行研究と比べてどこがすごい?
- 技術や手法のキモはどこ?
- どうやって有効だと判断した?
- 議論はある?
- 次に読むべき論文は?
このフォーマットを完成させることで、論文がまとめられたことになります。
落合先生が勧める論文の読む順について
先端技術とメディア表現1#FTMA15では、論文の読む順番についても言及されています。
アブスト→結論→実験→関連研究で読むのがおすすめ
一般的な論文(科学分野)では以下の流れになります。
⓪Abstract(アブストラクト・要旨)
①Introduction(イントロダクション・背景)
②Experimental(実験方法)*
③Result and Discussion (結果・議論)
④Conclusion(結論)
*論文誌によっては最後に記載することも。
落合先生が勧めるのはこれを
アブストラクト→結論→実験(結果・考察)→関連研究と読んでいく。
つまり、まずアブスト・結論で、まだ解読しきれていないぼんやりとした論文がどこまで到達したかを把握する。それができればあとは論文で述べられている主張はどうやって証明したのか?他とは何が違うのか?といったように深掘りをしていくわけです。
そうすることで、素早く論文を頭に入れていくことができるそうです。
実際に試してみた
結論:これは良い!
実際にやってみると、上記の方法に沿って読む→まとめると必要なことのみを抽出できたと思います。
埋めるべきフォーマットがあるので、挫折しにくいのもおすすめできるポイントです。
大量の論文を通読できない・時間がない人は通読まではしなくても良いと思います。
またその分野の勉強を始めたばかりの人も全部の論文を通読しようとすると結果・議論でよくわからない評価方法に挫折してしまう可能性があるので、通読する論文は選んだ方が良いかと思います。
私のケースでの進め方
この論文の読み方を始めた際のステータス
- バックグラウンド:化学(無機)
- 社会人として始める分野:ケミカルバイオロジー(高分子化学+細胞関連の境界領域)
- 理解度:化学系の論文は理解できるが、バイオがメインだと厳しいところからスタート
上記のように生物系の知識はほぼゼロ(高校1年で終了)の状態からスタートしています。
私が行う研究分野のキーワードで論文を検索すると出てくる分野は
- 高分子系
- バイオ系・薬学系・医学系
- その他(電気・環境等)
でした。そこで、
1についてはなるべく落合式で読んで、通読までする。
2についてはアブスト→結論→イントロ(→必要に応じて再度結論)まで。
3についてはアブスト→結論のみ
と分類して読んでいきました。
自分のテーマと近いもの、化学との境界領域の論文関しては、2の論文でも通読まで行うようにしました。
3の論文も読む理由は、比較的に遠い分野でもヒントになることがあるから。
まずはこの形で始めてみました。
1週間実施してみた成果:20本+α
1日2〜3本といったペースで進めました。
結果などがよくわからない論文でも、用途などはわかるので、「こんな使われ方あるんだ」など気づきがありました。
そういった論文は日本語の論文など、理解しやすい文献を調べたりしていました。
おわりに
今回紹介した落合先生の論文の読み方・まとめ方を使ってみたところ、論文を読むツボみたいなのが少しずつわかってきた気がしました。
この調子で進めていけたらと思います。
三日坊主まではいきませんでしたが、n日坊主にならないよう頑張りたいと思います。
では!